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01迫り来る腰痛の怖さ
「腰が痛い」なんていうと、「年だねえ」なんて反応をされることがある。が、腰痛の原因は年齢によるものというわけではない。その原因はいろいろあって、骨や筋肉に異常があって起こる整形外科的疾患(椎間板ヘルニア、変形性脊髄症、脊髄分離症、脊柱管狭窄症など)のほかにも、消化器や泌尿器疾患、婦人科系疾患などの内臓疾患が関連する場合もある。いずれの場合も、まずは原因を追求することが大切。原因が異なれば治療も当然、違うわけだから、勝手な自己判断で温めたり、冷やしたり、ストレッチや腰痛体操などを行ったりすると、かえって悪化させることも十分ありえる。
 
二足歩行をしている人間にとって、体を支える、体の中心部である腰に負担がかかるのは仕方のないことともいえる。それでは、だれもが腰痛になる可能性をもっていることになるが、腰痛とは無縁という人もいる。

冒頭でいったように、「腰痛=年だねえ」という発想に少し関連するのは、運動量である。若いうちは外で動き回ったり、学校の授業に体育があったり、サークルでテニスをやったり、意外に運動を意識しなくてもしていることが多い。

しかし、大人になって、社会人になって、だんだんと普段の生活のなかから、「運動」がなくなり、意識をしないと万人が運動不足という状態になる。


体を動かさないというのは、筋肉の衰退、体力の低下につながり、結果的に腰にかかる負担を増大させている。また、内臓疾患のなかには、運動不足が少なからず関係しているものもある。さらに腰痛は、慢性の不眠症や睡眠不足、疲労、体調不良、精神的ストレスが原因となることもあり、これらの場合には、原因を特定することが難しくなる。

実際、原因がわからず、整形外科を訪れる患者の実に五割が、「原因がはっきりしない漠然とした腰痛」といわれている。
 
そんなやっかいな「腰痛」は、症状が出てから治療するより、予防するに越したことはない。では、どうしたらいいか。これといった確実な方法は残念ながらないが、日常生活で、腰に負担をかける動作や姿勢をしないように心掛けることは有効だ。

例えば、重いものを持ち上げるときには、膝をしっかり曲げてしゃがみこみ、脚の力で持ち上げるようにしたり、睡眠時には腰に負担がかかる仰向けやうつぶせではなく、横向きで膝を曲げた状態や仰向けでも膝が曲がるように膝下にクッションや枕を置いた姿勢にするなど。長時間座る椅子は堅めのシートと背もたれがあるものを選び、膝と腰をそれぞれ90度に曲げたとき、脚の裏が床にしっかりつく高さにするなど、物を選ぶときにも気配りが必要。そして、運動不足を解消すること。筋肉を鍛えたり、ほぐしたりを意識的に行うといい。
 
腰痛を感じたら、その程度にもよるが、基本的には整形外科などを受診し、安静を心掛ける必要がある。整形外科的要因であれば、受診の際に原因もおおむねわかるだろう。ぎっくり腰のような急性のものは、立ち上がったり歩いたりができないほどの痛みを伴うこともあるので、足のしびれや排尿障害など、腰痛以外の症状を伴わないときは、安静にし、悪化を認めなければ急性期を過ぎてから受診してもいい。しかし、冷や汗や息苦しさ、激痛、発熱を伴う場合には、内臓疾患の可能性もあるので、すみやかな受診が必要である。
 
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